『ロング・グッドバイ』一巡目

清水俊二訳の『長いお別れ』を最初に手にしたキッカケは、たぶん、これまた村上春樹の『羊をめぐる冒険』との類似点を指摘した書評だったと思う。――ということは、やはり20代の頃。当時、想いを寄せていた女の子と二人で旅行に行く際、夜行バスの待ち時間に手にしていたような気もするので、大学卒業後、地元で暮らしていた時期か?

「私は四十二歳になる。一人でやっていくことに慣れすぎてしまった」
「私は三十六になる。お金があることは別に恥じゃないし」

もちろん原作者とは国も文化も生きてる時代も違うんで、一概には言えないのだけれども。なるほど、ようやくこの辺りのやりとりが理解できる歳にはなってきたということか。四十路越えの人物で一番身近だったのって、なにしろ『バカボンのパパ』くらいだったもんなあ。