ゼロアワーの前に

【家族の風景】
「○○は俺の嫁」とか繰り返す弟に向かって、「アンタら、『出会い系』とかいうヤツで相手を探してくればいいのに」とのたまう母。

「俺にネットの出会いを勧める気か?」
「○○がオマエの嫁なら、○×は俺の元ヨメ」

――などなど、ためしに自分の過去ネタを家族の前で口に出しても、気まずい空気が流れなかったことで、ようやく皆にとっても終わった話となったことを実感。
まあ、ね。今の俺は、確実に自分の意思であの土地に踏みとどまることを決めたのだから。

【予行演習】
さすがに35歳独身ともなれば「叩けばホコリの一つや二つは出るものさ」くらいには構えていたものの、それが三つ、四つとなるとさすがに面食らってしまうのは、やっぱり自分がガキンチョだったんだろう。つきあうとか、好きだとか、そういう言葉を純粋で甘美なものとしか捕らえていない状態で、もしも同じ話が別の誰かの口から出ていたなら、俺はどうするつもりだったのか?

【そして小学二年生は語る】
なんでそんな話になったんだか?別れ際、彼はこう言った。
「今度は離婚しないようにね」

さあ、不明な海に乗り出す準備はできた。隕石一つ程度、押し返せるくらいの推力と覚悟はあるか?