真マジンガー 〜オヤジとオレと、時々、オカン〜


母ちゃん、ごめん。気ぃ使ってよけいに持たせてくれたお金、無駄遣いしちまった。

苦し紛れの言い訳をするならば、オレとオヤジの最初の記憶は『マジンガーZ』なわけですよ。よく晴れた日曜日、家から一番近くにあったオモチャ屋さんでジャンボマシンダーを買ってもらった後、幼稚園児にとっては、ちょっと遠めだった帰り道のことは、よく覚えています。今でこそ、それなりに町らしくなってきていますが、当時はホントに空き地だらけ。ザリガニどころかカブトムシも採れたっけ。

ところがどっこい、実はオヤジが裏番組の『キックボクシング』に夢中だったこともあって、実は『マジンガーZ』の本放送はほとんど見ていません。オヤジが社員旅行だかなんだかで留守にしてた時、はじめてジェットスクランダーで空を飛ぶマジンガーを見ました。だから「マジンガーが敗れた」とか「グレートが〜」とかのネタは、幼稚園に向かう途中の会話で知りました。その辺りも含めて、オレとオヤジとマジンガー

大工一筋だったオトコの右手が、ぜんぜん思うように動かなくなっていたのは、同じオトコとして辛いだろうと思う。だからこそ、オレとオヤジと『真マジンガー(?)』ってことで…。